前鋸筋（ぜんきょきん）は、人間の上半身に存在する筋肉の一つで、胸郭の前面に位置しています。正式名称は「胸鎖乳突筋（きょうさにゅうとつきん）」とも呼ばれますが、一般的には前鋸筋と呼ばれることが一般的です。
前鋸筋は、鎖骨（さこつ）から乳骨（にゅうこつ）や肩甲骨（けんこうこつ）にかけて広がる大きな筋肉で、左右の両側に存在します。この筋肉は、上腕を前に回したり、肩を前方に持ち上げる動作を行うときに主に働きます。
前鋸筋は、日常生活やスポーツなどで幅広い動作に関与しており、特に上体を前屈させる、肩や腕を前に持ち上げる、物を抱えるなどの動作に重要な役割を果たしています。また、前鋸筋は胸郭の動きとも密接に関連しており、呼吸の際に胸郭を拡張するのにも関与しています。
前鋸筋の強化や柔軟性の維持は、肩や胸郭の安定性を高め、上半身の機能を改善する上で重要です。適切なエクササイズやストレッチを行い、前鋸筋をバランスよく発達させることで、姿勢の改善やスポーツパフォーマンスの向上、肩や胸部の健康維持に寄与します。
前鋸筋のトレーニングには、プッシュアップ、ベンチプレス、ダンベルフライ、ストレッチバンドを使った運動などが一般的に行われます。ただし、トレーニングを行う際には正しいフォームと適切な負荷を心掛けることが重要で、無理な運動や急激な負荷増加を避けるようにしましょう。
