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良性発作性頭位めまい症

良性発作性頭位めまい症(りょうせいほっさせいとういめまいしょう)(BPPV: Benign Paroxysmal Positional Vertigo)は、内耳の前庭器官の一つである半規管内の耳石の異常により引き起こされる、最も一般的なめまい疾患です。以下に主な特徴と情報をまとめます:

定義:
特定の頭位変換によって誘発される短時間の回転性めまい発作を特徴とする疾患。

主な症状:

  1. 短時間(数秒〜1分程度)の激しい回転性めまい
  2. 頭位変換時に誘発される(寝起き、寝返り、上を見上げるなど)
  3. 悪心・嘔吐を伴うことがある
  4. めまい以外の神経症状は通常伴わない

原因:

  • 耳石器(卵形嚢・球形嚢)から剥離した耳石が半規管に迷入
  • 加齢、頭部外傷、長期臥床などが誘因となることがある

好発年齢:
50〜70歳代

診断方法:

  1. 問診
  2. 頭位・頭位変換眼振検査
  • Dix-Hallpike法
  • Roll test
  1. フレンツェル眼鏡を用いた眼振観察

病型分類:

  1. 後半規管型(最も多い)
  2. 水平半規管型
  3. 前半規管型(稀)

治療法:

  1. 耳石置換法(理学療法)
  • エプリー法(後半規管型)
  • Lempert法(水平半規管型)
  1. 薬物療法(必要に応じて)
  • 制吐剤
  • 鎮静剤
  1. 生活指導

予後:

  • 多くの場合、数日〜数週間で自然軽快
  • 適切な耳石置換法で即時改善することも多い
  • 再発の可能性あり(年間約15%)

予防と管理:

  • 急激な頭位変換を避ける
  • 睡眠時は患側を上にして寝る
  • 再発時の対処法を習得

重要ポイント:

  • 良性疾患であり、生命に関わる危険性は低い
  • 正確な診断と適切な治療で速やかに改善することが多い
  • 他の中枢性めまい疾患との鑑別が重要
  • 再発の可能性があるため、長期的なフォローアップが必要

良性発作性頭位めまい症は、適切な診断と治療により多くの患者さんが速やかな症状改善を経験できます。繰り返すめまい症状がある場合は、専門医への相談が推奨されます。

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