頚椎捻挫(けいついねんざ・むち打ち症)は、主に交通事故などの衝撃により頚部に急激な加速・減速が加わることで生じる軟部組織の損傷です。以下に主な特徴と情報をまとめます:
定義:
頚部の筋肉、靭帯、神経などの軟部組織が急激な動きによって損傷を受けた状態。
主な症状:
原因:
- 交通事故(最も一般的)
- スポーツ外傷
- 転倒
- その他の頚部への急激な衝撃
重症度分類:
QTF(Quebec Task Force)分類が広く用いられ、0〜4度に分類される
診断方法:
- 問診(受傷機転の確認)
- 身体診察
- 画像診断(X線、CT、MRIなど)
治療法:
- 急性期(受傷後数日〜2週間)
- 安静(過度の安静は避ける)
- 頚椎カラー装着(短期間)
- 消炎鎮痛剤
- 冷却療法
- 亜急性期〜慢性期
予後:
- 多くの場合、数週間〜数ヶ月で症状改善
- 一部の患者で慢性化(頚部痛や頭痛が長期継続)
予防:
- 自動車のヘッドレストを適切に調整
- シートベルトの正しい着用
- 安全運転の心がけ
重要ポイント:
- 早期からの適切な治療が重要
- 過度の安静は回復を遅らせる可能性がある
- 慢性化のリスク因子(高齢、女性、既往歴など)に注意
- 心理的要因も症状の遷延に影響する場合がある
頚椎捻挫(むち打ち症)は適切な治療と管理により、多くの場合良好な回復が期待できます。症状が長引く場合や悪化する場合は、専門医への再診が推奨されます。